富山市郊外の常願寺川左岸、西ノ番の森の中にある当寺は、天正二年(一五七四)、常願寺川氾濫で水害に苦しまされる付近の農民たちを守り氾濫防止の祈祷寺とするため、時の富山城主の命によって土地の豪族・五十嵐次郎左衛門頼房らの努力で建立されました。
当寺のご本尊は聖観世音菩薩で、行基菩薩の作と伝えられ、富山県重要文化財に指定されています。豊満素朴なお姿そのままに、難を去り福を与えるご利益により「厄除観音」と称されて千余年の昔より世の人々から厚く信仰されています。
本堂天井に描かれている竜の絵は、藩主前田利保公が常願寺川の氾濫を防ぎ領民の安全を守るために、厄除観音に祈願し、藤原守胤に命じて描かせ奉納したもので「招福鳴竜」といわれ、市の文化財に指定されています。向拝天井の鳳凰図や般若殿の花鳥図と共に富山藩における美術工芸の粋を今日に伝え物語っています。
立山連峰をまぢかに仰ぐ富山市は薬と商工業のさかんな町、とくに越中富山の薬屋さんで全国に親しまれる、売薬で知られています。市内では旧城跡周辺、郊外では五百羅漢のある呉羽山が良い眺めです。
南の郊外にある当寺は「厄除・招福・鳴き竜の寺」として深く信仰されており、近くには奥山廻り旧家浮田家もあります。
なお立山山麓では立山風土記の丘、立山寺、日石寺の大岩不動などの見どころがあり、ドライブや散策など、歴史と自然にふれることが出来ます。
聖観世音菩薩
住所:〒939-8104 富山県富山市西番808番地
電話 / FAX:076-421-0331
交通:JR北陸本線富山駅から富山地鉄バス西番斎場行き・富山霊園行き西番下車/富山駅からタクシー20分
観光:旧家浮田家、富山城趾、広貫堂、立山山麓(風土記の丘など)、大岩不動、立山寺など
近隣駐車可能収容台数:前方道路 距離50m 大型車5台 普通車30台
宿泊設備:富山市内旅館