大宝元年(七〇一)、文武天皇の第七皇子で仏門に入られた一品親王越之宮自信院仏性上人がこの地を旅された折に、夢枕で竜宮に在る仏のお告げを聞き、稲荷明神の化身の白髪の老人に案内されて打出の海岸から舟を出して海中に網を下ろすと、夢のお告げの通り黄金の釈迦如来像を得られ、歓喜して寺院を建てられました。これが当寺のはじまりと伝えられています。
大同三年(八〇八)には弘法大師が立寄られて正観世音菩薩を刻まれました。これを機に当寺は華厳宗から真言宗に改め、観音霊場として越中第二十四番札所となりました。 元禄八年(一六九五)富山藩前田家二代正甫公より現在地をたまわり、その祈願所とされました。
寺宝には聖観世音菩薩立像(県指定文化財)のほか、狩野元信筆の天満宮図などがあります。
今からおよそ五百年前の戦国時代から桃山時代の作と鑑定される珍らしい除蓋障菩薩(じょがいしょうぼさつ)を描いた掛け軸があります。幅一メートルに長さ一メートル五十センチの古びた布地に描かれたこの絵は、日本初期の油絵です。
口ヒゲのあるクジャクに乗った長命の同菩薩は、三つの目と三つの顔、六本の腕のうち一対は合掌、一対の右手にホコ、左手にタテ、マサカリを持ち、残りの右腕に白ヘビ、左腕に赤ヘビがまつわりつき、色は桃色・淡黄・エンジ・朱緑・濃青などあざやかで美しい。「昔、神通川の河口の西岩瀬は賑やかな駅として発展し、お寺が文化・教育・産業の中心だったので、このような軸があるのでしょう」と珍しがられています。
このほか、寺中主な宝物としては
四所明神 巨勢金岡画
不動明王 山岡鉄舟持仏
天満宮 狩野元信画
除蓋障菩薩の油絵掛軸
住所:〒930-2241 富山県富山市四方西岩瀬定籍
電話:076-435-0250
FAX:076-435-1265
交通:JR北陸本線富山駅からバス四方行荒屋下車徒歩7分/富山駅からタクシー15分
観光:富山湾(八重津浜)、富山市内、呉羽山など
専用駐車場:普通車15台
近隣駐車可能収容台数:前方道路 距離50m 普通車3台
宿泊設備:なまず温泉