南北朝時代の末、永和元年(一三七五)に紀州根来寺の睿憲上人が創建、この地を支配していた奈良大乗院が寺領五百石を寄進して伽藍造営を助け、以来、朝倉・柴田・松平氏など歴代領主の祈願寺として栄えました。
参道の杉木立から、柴田勝家が着工し未完のまま亡び後に完成した鐘楼を兼ねた山門、室町時代の面影を残す鎮守堂(重要文化財)、石龕(せきがん)の開山堂、国の名勝指定の庭園など由緒深く趣があります。
独特の様式による江戸期建築の観音堂には理源大師作で鳥羽法皇念持仏の聖如意輪観世音菩薩がまつられ、本堂の泰澄大師作と伝えられる薬師如来や不動明王・愛染明王などと共に信仰を集め、国宝の金銅毛彫宝相華文磬や重文の地蔵菩薩図像ほか数多くの寺宝が保存されています。
観音堂前の石庭は北陸随一といわれています。
6月第3日曜日には「観音まつり」を催し、白山修験道山伏による柴灯護摩火渡り修行を執り行う。
火渡りは、希望者はどなたでも参加可能。
当寺には多数の寺宝を収蔵する宝物殿があり、常時一部を展示してあります。
主な寺宝では、「金銅毛彫宝相華文磬(国宝)」は平安時代工芸の粋といわれ、精巧な線刻に金渡金をほどこした気品の高い名作。磬は元来中国古代の楽器から、後世仏教の鳴器として取り入れられたもの。また、「地蔵菩薩図像(重文)」は濃い彩色と金箔の細い線をはって絵を描く截金の手法による藤原時代の作。
なお、三国町は九頭竜川河口に沿った古い港町で、三国神社など社寺も多く、また郊外に展開する東尋坊や雄島・越前松島などは最高の自然美として有名で、福井一の芦原温泉や越前海岸も近いところです。
金銅毛彫宝相華文磬
住所:〒913-0054 福井県坂井市三国町滝谷1-7-15
電話:0776-82-0216
FAX:0776-82-0335
交通:JR北陸本線芦原温泉駅から東尋坊バス30分/福井駅からえちぜん鉄道三国駅下車徒歩5分
観光:東尋坊、雄島、越前松島、芦原温泉、緑の広場芝政など
専用駐車場:大型車16台 普通車30台
宿泊設備:芦原温泉他、国民休暇村三国等多数あり